中学受験の飛び級について

「飛び級」について、昔から議論があるようです。
「塾通いをしている場合の飛び級」「親塾で先取り学習していて大手塾での飛び級を考えている場合」に分けて記事を書いてみました。

<目次>
1.飛び級の基本
1−1.飛び級は効果があるのか?
1−2.飛び級の難易度

2.中学受験の大手塾での飛び級
2−1.大手塾での飛び級は可能なのか?
2−2.大手塾で飛び級するとどうなるのか?

3.もし最難関中を目指す場合ならば、どうする?
3−1.なぜ1学年の飛び級なのか?
3−2.いつ飛び級させるのか?
3−3.飛び級をやめるタイミング
3−4.飛び級のデメリット
3−5.飛び級のQ&A

4.親塾と大手塾への飛び級
4−1.親塾から関西系の大手塾に合流できるのか?


飛び級の基本

まずは、飛び級の基本です。

飛び級は効果があるのか?

大学受験の話ですが、東大や医学部の合格者を大量に輩出している「鉄緑会」という塾があります。
大量の合格者を輩出する要因は圧倒的な先取り学習といわれていて、高校1、2年生までに高校内容を終えてしまい、そこから入試問題を解かせはじめるそうです。
つまり、鉄緑会は「塾で飛び級をしているようなもの」ではないでしょうか。
それで合格実績を出しているので、飛び級の効果はあるといえると思います。

ただ、飛び級は勉強の圧縮をはかるので、その分、キツくなります。
脱落する子どもも少なからずいると推測できます(実際そうらしいです)。
※「1年かけて勉強することを1か月で終わらす」という極端な例で考えれば、どれだけキツイのか容易に想像できるのではないでしょうか。

まとめると、「飛び級は効果があるかもしれない。しかしキツいので脱落する子どもがたくさんいる」です。

中学受験における飛び級の難易度

飛び級には、つぎの2つの側面があります。

・何学年、飛んだのか(例:小1が小6に飛び級。5学年の飛び級)
・何年生に飛び級したのか(例:小4が小5に飛び級。5年生に飛び級)

さて、つぎの2つ、どちらの難易度が高いと思いますか。

1.小1が小4に飛び級(3学年の飛び級)
2.小5が小6に飛び級(1学年の飛び級)

小1に教える難しさもあるので一概にはいえませんが、上記2です。
なぜそう言えるのでしょうか。

中学受験のとある大手塾の授業時間です。

・小4:380時間
・小5:530時間
・小6:1000時間

つまり、つぎのようになります。



さて、先ほどの2つのケースを考えてみましょう。



これでわかったのではないでしょうか。
上記2のほうが学習量がかなり多くて難易度が高いです。

中学受験の大手塾での飛び級

中学受験の大手塾での飛び級の話です。

大手塾での飛び級は可能なのか?

関西では浜学園をはじめとして飛び級を認めている塾が多く、飛び級での模試や入塾に困ることはありません。
一方、関東の大手塾は飛び級を認めていないところばかりで、飛び級で入塾させることも、飛び級で模試を受けさせることもできません。
ただ、関東でも関西が基盤の塾、たとえば駿台浜学園だと、飛び級での入塾や模試を受けることができます。

<参考>関東では、つぎの2つの模試は飛び級での受験ができます。

・駿台浜学園
・首都圏模試

つぎの模試は一学年の飛び級は認められているようです。

・全国統一小学生テスト

※電話やメールで確認をとりましたが、今後変わるかもしれないので受験する前に必ず問い合わせてください。

入塾の際に身分証明書を出すわけでもないので、なかには年齢を詐称して入塾させるツワモノもいるそうです。
ただ、そうしてしまうと飛び級のときの小6で困ります(入試を受けられないため、入試が近づけば本当のことを言うか退塾するかしかないと思います)。
つぎに小6になってからその塾で授業を受けたくなったときに困ります。実際よりも年齢が上で登録されているためです。

大手塾で飛び級するとどうなるのか?

難関中に強い大手塾は進度がかなりはやく、先取り学習のカリキュラムにもなっています。すなわち、鉄緑会ほどではないにせよ、飛び級になっているわけですね。

そのような状況なので、ふつうに大手塾のカリキュラムについていくだけでも精一杯だと思います。さらに飛び級となるとかなりキツイのではないでしょうか。
自然に飛び級になるような子どもにはキツクないのかもしれませんが、そうでなければ子どもに無理をさせることになるかもしれないですね。
しかも、大手塾は飛び級しなくても最難関中に合格できるようなカリキュラムを組んでいますし、実際、飛び級していなくても最難関中に合格する子どももいるので、「無理して飛び級しなくても」という意見もあるようです。

その一方、最難関中を目指す場合は小6だけでは時間が足りなくて、飛び級したほうがいいという意見もあります。

もし最難関中を目指す場合ならば、どうする?

もし、つぎの状況ならどうするだろう、と、ふと思いました。

・子どもが小1
・低学年の内容は教えられるが、難しいことは教えられない
・これから通塾させるつもり
・最難関中を狙う

やはり飛び級ですね。
具体的には、「飛び級しやすい低学年のうちに1学年の飛び級」です。
なぜなのでしょうか。

※決して飛び級を勧めているわけではありませんので、あしからず。ゴールに到達できそうなルートの1つを書いているだけです。というより、妄想です。

なぜ1学年の飛び級なのか?

なぜ1学年の飛び級なのでしょうか。
理由は以下です。

・内容的に厳しい小6を2回繰り返すことができる
・時間的にも厳しい小6で、ゆとりができる

端的にいうと、1学年の飛び級で入試問題の演習に割く時間を作るわけですね。
現時点では入試問題の演習に2年も必要ないので1学年の飛び級というわけです。

いつ飛び級させるのか?

いつ飛び級させればいいのでしょうか。

・5年から6年に飛び級するのは、かなり厳しい
・4年から5年に飛び級するのも、しんどい
・一方、「小1で小2」「新小3で新小4」に飛び級するのはそれほど難しくない

小1〜小3の学習内容はあってないようなものです。
その時期に飛び級してしまうわけです。
そうすれば、入塾後も塾の授業についていきやすいと思います。

飛び級をやめるタイミング

小6まで進んだのに偏差値がパッとしない場合は、飛び級しないほうがよかったとなるかもしれません。
そこで、つぎの2つのポイントで飛び級を続行するかどうかを判断するといいと思います。

・飛び級で小4の学習。小4の終わりで成績が良くない → 現学年でもう一度小4からはじめる
・飛び級で小5の学習。小5の終わりで成績が良くない → 現学年でもう一度小5からはじめる

飛び級をステータスに感じるようなかたは、うまくいかない場合、引き返すことができないと思うので、やめておいたほうがいいと思います。

飛び級のデメリット

飛び級のデメリットは、2つ考えられます。

1つ目は、小6を2回繰り返すので、50〜100万円ほど余計に教育費がかかることです。
塾代がもっともかかるのは小6です。小6を繰り返すので自ずと教育費は増加します。

2つ目は、低学年からそれなりに勉強させないといけないことです。
飛び級で入塾できるだけの家庭学習をしないといけません。入塾後は、塾のカリキュラム通りに進めていくだけなので、(飛び級ではない)ふつうの入塾と変わりありませんが、飛び級を維持するには相応の成績が求められるので負荷はかかります。

飛び級のQ&A

飛び級のQ&Aです。

塾に入れるだけで成績があがるものではないのでは?

その通りです。
ただ、それは飛び級しない場合も同じです。

脳の発達がある。小さなころは特に成長に差があるから、1学年といえども飛び級は難しいのでは?

確かに脳の発達による「壁」は感じますが、受験に関していえば、ましてや1学年の飛び級では大した差ではないと思います。実際に教育してわかりました。

算数塾で十分じゃないか? 算数以外は先取り学習しても意味がないのでは?

入試は算数だけではありません。
特に国語は放置していると手遅れになる可能性があると感じています。
国語は1学年であれば比較的容易に先取り学習できるので、国語も先取り学習しておいて損はないと思っています。

ただ、理社は追い込みがきく、つまり繰り返す意味は乏しいため、2回目の小6では算国のみの受講にすればいいのではないでしょうか。

あと算数塾だとダブルスクールになりますが、飛び級だとそうなりません。

親塾と大手塾への飛び級

親塾なので、小2の息子は先取り学習しています。
※詳しい進度は別のページをご覧になってください。

困るのは模試です。
また、学年があがるにつれて学習内容が難化、しかも四教科分あるので、親塾ではつらくなって、「大手塾に通わせようかな」と思うようになる気持ちもよくわかるようになりました。
というわけで、親塾とはいえども、何かしら大手塾に頼ることもあるかと思うので親塾と大手塾への飛び級について考察してみました。

親塾から関西の大手塾に合流できるのか?

関東にも飛び級で受けられる模試があるので、模試を受けることはできます。
では、「親塾→大手塾」はどうでしょうか。

浜学園だと飛び級を認めているので「できる」わけですが、1つ気をつけなければならない点があると思います。

それは、カリキュラム。
親塾との進めかたが異なるため、途中から大手塾にいれるには調整する必要があります。
一例をあげます。

<うちのカリキュラム(親塾)>
1.小6までの計算問題
2.小6までの教科書レベル(予習シリーズで扱うので、わたしは飛ばしました)
3.小5までの基本問題(予習シリーズの必修例題、基本問題)
4.小5までの標準問題(予習シリーズの練習問題)

親塾は好きにカリキュラムを組めるので、スパイラル学習のカリキュラムを組んだわけですね。
小5まで学習したのだから、小5のクラスに入れたいと思うわけですが、これだと大手塾には飛び級できません。
なぜなら、公開テストにて応用まで解けないと飛び級は認められないためです。
この場合だと小5の応用まで学習しておかないといけないわけですね。

というわけで、親塾から大手塾を考えている場合は、大手塾のカリキュラムに乗っかておくのがいいと思います。

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