小6までの計算問題を、あっという間に習得させる方法

小6までの計算問題は、小さな子どもでも、あっという間に習得させることができます。
親が教えれば、2か月もかからないのではないでしょうか。
実際、うちの子どもたち、2人とも以下でしたし。

・小3の息子 → 小1の終わり、小6までの計算問題を習得(学習期間は1か月程度だったと思います)
・小1の娘 → 小学校に入学する前に(年長だったかな?)、小6までの計算問題を習得(学習期間は2か月ほどだったと思います)

というわけで、ここでは、どのように教えたのか「流れ」を紹介します。すべて実体験に基づいています。


3STEPで、あっという間に小6までの計算問題を習得!

小6までの計算問題を、どのように教えたのでしょうか。
以下の3STEPです。スパイラル方式ですね。

【STEP1】小6までの計算問題のうち、「基本」だけを一気に終わらせる
【STEP2】基本的な総合問題で「土台」を築く
【STEP3】難易度が高めの総合問題や受験算数を先に進めることで「理解」を深めていく

それぞれについて詳しく解説していきます。

【STEP1】小6までの計算問題のうち、「基本」だけを一気に終わらせる

小6までの計算問題の基本だけを一気に終わらせます。具体的には、自作の問題(後述)のレベルまで解けるようにします。
この際、注意すべきことが3点あります。

・数の感覚を育てる!
・計算といえども「なぜ?」を大切に! ただし、深入りしない
・完璧を求めない。基本ができれば先にドンドン進む!

それぞれについて詳しく解説していきます。

数の感覚を育てる!

当時、未就学児だった娘、当時、小1だった息子、2人とも数の感覚を育てることに注力しました。
数の感覚が身につけば、計算問題に関しては爆速で進められるようになりますから。
※数の感覚については、教材の分析や子どもの状況から重要だとわかりました。

ちなみに、数の感覚とは、一体、何なのでしょうか。
以下に、どのように教えたのかの記事があります(一部)。これらの記事を読むと、数の感覚とはどのようなものかわかると思います。

算数の教えかた

計算といえども「なぜ?」を大切に! ただし、深入りしない

計算問題は、やりかたを覚えさせればできるようにはなります。
が、「なぜ?」の部分を大切にしないと、以下になります。

・習得速度が遅くなる
・すぐに忘れてしまう

「なぜ」を大切にしましょう!
ただし、あまりに「なぜ」を大切にしすぎて深入りをしてはいけません。深入りすると、かえってできなくなってしまうためです。

たとえば、「なぜ分数のわり算は逆数にするのか」。
高学歴な親ほどしっかりと教えたがりますが、これを理解するのにもある程度の力が必要です。
それがない子どもに説明しようとすると、子どもは混乱するだけ
です。
学習が進んで算数や数学の思考力があがってから、あたらめて教えるといいでしょう。

完璧を求めない。基本ができれば先にドンドン進む!

一般的な教育法は「細かいことまでしっかりとできるようになってから先に進む」です。
公文式が顕著ですね。
何度も何度も何度も、同じような問題を繰り返し解きます。

しかし、それはかなりの無駄です。

大体できるようになれば、つぎに進めましょう!
そもそも数の感覚が育っていれば解かなくても良い問題がたくさんありますし。

(×)カリキュラムを遵守する
(〇)できるところは飛ばす

(例)3桁、4桁の足し引き
1.数の感覚が育っている、2.1桁と2桁の足し引きを練習したの2点があれば、飛ばしても構いません。どうせ後で嫌になるくらい計算します。

同様に、STEP1では、ややこしい、もしくは難しい計算問題を解けるようにする必要はありません。
それ以降のSTEPで学習するためです。

ちなみに「理解できていないのに先に進める? かえって遠回りになるだけだ!!」という反論もあると思います。
腕が悪い先生が主張しそうですね 笑
が、それはSTEP2で解決します。
※STEP2では、穴を見つけて埋めます。

公文式は、所詮、習い事

「計算力を鍛えるには、公文式!」といわれています。
しかし、公文式だと1か月で終わることを、何年もかけて習得させます。
「共働きなどで親が教えられない」「公文式には、学力ではなく学習習慣をつけることを期待している」などではない限り、公文式は無駄以外の何物でもありません。

たとえば、数の感覚。
公文式では、数の感覚は育ちません。
だから、「公文式で、一生懸命勉強しているにも関わらず、いつまで経っても算数ができるようにならないケース」があるのです。

ほかにも、「なぜ」の部分。
公文式では解き方を丸暗記させます。
その結果、「公文式で中学数学や高校数学を勉強しているのに、小学校の簡単な算数で間違うケース」まであるそうです。
※算数や数学は積み重ねの学問なので、ふつうに学習していると、こういうことは起こりません。

公文式は計算方法の丸暗記なので、「数の感覚が育っておらず、あり得ない間違いをする」「すぐに忘れてしまう」なのでしょうね。

【STEP2】基本的な総合問題で「土台」を築く

以下のような問題を自作しました。
※A4のコピー用紙を半分に折って手書きしました。プログラムで数値替えの問題を大量に作成することはできますが、数値替えの問題は、2、3枚あれば十分なので、プログラムを書きませんでした。

・\(4+□+3=8\)(小1)
・\(569+133=\)(繰り上がり2回)(小3)
・\(423−189=\)(繰り下がり2回)(小3)
・\(569+133−189=\)(小3)
・\(\dfrac{3}{7}+\dfrac{4}{7}=\)(1になる分数のたし算)\)(小3)
・\(6×□=18\)(九九の復習)(小3)
・\(□÷7=4\)(小3)
・\(153×47=\)(2桁の筆算)(小3)
・\(120×500=\)(×10、×100など)(小3)
・\(22÷4=\)(余りのあるわり算)(小3)
・\(565÷7=\)(わり算の筆算)(小4)
・\(90÷30=\)(÷10、÷100)(小4)
・\(12.29+0.89=\)(小数のたし算)(小4)
・\(4.34−3.89=\)(小数のひき算)(小4)
・\(8×(60−43)=\)(分配法則)(小4)
・\(1.4×0.78=\)(小数のかけ算と筆算)(小4)
・\(8−2\dfrac{3}{4}=\)(帯分数)(小4)
・\(8.2÷0.4=\)(小数のわり算)(小5)
・\(\dfrac{3}{4}+\dfrac{1}{9}=\)(通分が必要な分数のたし算)(小5)
・\(2\dfrac{1}{2}+1\dfrac{2}{3}−\dfrac{1}{8}=\)(通分と帯分数)(小6)
・\(\dfrac{8}{9}×3=\)(分数のかけ算。整数)(小5)
・\(\dfrac{5}{7}÷3=\)(分数のわり算。整数)(小5)
・\(0.54\)を分数にしてください(分数と小数)(小5)
・\(\dfrac{1}{2}\)を小数にしてください(分数と小数)(小5)
・\(\dfrac{2}{3}×\dfrac{4}{5}=\)(分数のかけ算)(小6)
・\(\dfrac{2}{5}÷\dfrac{4}{9}=\)(分数のわり算)(小6)
・\(10:25=\)(比)(小6)

これらは、どのような問題なのでしょうか。
また、どのように解かせたのでしょうか。

どのような問題を自作したのか?

どのような問題を自作したのでしょうか。
以下です。

1.小6までに習う計算問題の要点が含まれている計算問題
2.子どもたちが完全にできることに関しては問題に入れない(ただし確認したい要点は別)

上記1。
1桁の足し引きといっても、繰り上がりや繰り下がりがあるパターン、ないパターンなどがあります。
こういう要点の大半が含まれるように問題を自作しました。

上記2。
小1の数・量・図形では「数直線もどき」なども学習します。
数の感覚が育つまでは「数直線もどき」の問題を繰り返し解かせます。で、身につけば先に進むわけですが…。
これを角度を変えてみると、数直線もどきのような問題はしっかりと身についているからこそ先に進めます。
というわけで、そういうしっかりと身についている問題に関しては、自作の問題には含めません。
ただ、確認したい要点は完全にできていても入れることがあります。

自作の問題をどのように解かせたのか?

三段階で解かせました。

【第一段階】弱点の洗い出し
【第二段階】計算方法の習得
【第三段階】計算の経験を積む(必要な場合のみ)

まずは、第一段階。
子どもに自作の問題を解かせます。
この際、子どもの様子をしっかりとみて、以下のようにします。

・正解の問題
ふつうは正解すると斜線でも引いて「もう解かなくても良い」としますが、「時間がかなりかかった問題」「解法があやふやだった問題」にチェックします

・不正解の問題
ふつうは不正解の問題は何回か解き直しさせますが、ケアレスミスの問題にはチェックを入れません(ケアレスミス対策は今後みっちりとしていきます)。ケアレスミスではない問題にはチェックします。

・余裕で正解した問題
斜線を入れます(つぎからは解かせません)

そして、チェックを入れた問題をしっかりと復習します。
もう一度、教えるわけですね。
一度教えたところなので、それほど時間はかからないはずです。

(例)
・「通分と帯分数」は正解だったけど、途中式を何度か消しゴムで消していた → 通分と帯分数をしっかりと復習!
・「小数のひき算」は不正解だったけど、どうやらケアレスミスのようだ → 復習せず!

ちなみに、再度、説明する際、時間がかかれば、以前の説明の仕方が悪かった可能性もあるので、角度を変えて説明してみるのも一つの手です。

で、数日時間を置いてから、まったく同じ自作の問題を解かせます。
この際、斜線を引いた問題は解かせません。

「一度解いている」「穴も埋めてある」なので満点のはずですが、それでも間違えると思います。その間違いが、何なのかしっかりと把握しましょう(先ほどと同じ)。
そして、つぎのようにします。

・ケアレスミス以外の不正解がある → 数日以内に同じ自作の問題を解かせる(説明が必要そうなら説明もします)
・ケアレスミス以外の不正解はなさそう → 第二段階に進む

つぎに、第二段階。
数日置いてから、第一段階と同じ自作の問題を解かせます。
これでケアレスミス以外の不正解があれば、第一段階に戻ります。

で、一通り解けるようになれば、自作した問題を元にしてつぎの問題を作成します。

・数値を替える
・問題をランダムに入れ替える

で、これを解かせます。
ケアレスミス以外の不正解がなくなれば、自作の問題は卒業です。

最後に、第三段階。
市販のドリルを購入して、経験を積ませます。
ただ、必要がなさそうな場合はこの段階は飛ばしても構いません。

・小3の息子(当時、小1) → 安定して解けていたので、第三段階は飛ばしました
・小1の娘(当時、未就学児) → 性格の問題なのか不安定だったので、市販の分数の計算ドリルを購入して解かせました

ちなみに、小1の娘は、計算ドリルと並行して予習シリーズを進めていました。
ドリルの4分の1ほどのところで正確に計算できるようになったので、ドリルは途中でやめました。

【STEP3】難易度が高めの総合問題や受験算数を先に進めることで「理解」を深めていく

この先のステップは、以下の問題集がお勧めです。

小4計算練習800題
小5計算練習800題
小6計算練習800題

うちは予習シリーズなどの教材を先に進めていて、計算問題は疎かになっています。
が、上記の問題集は解かせたほうがいいと思います。
ただ、1つだけ注意することがあります。
子どもの解き方をしっかりと観察することです。

子どもの解き方は要観察!

子どもがどのように解いているのか、観察することを強くお勧めします。
ものすごく効率悪く解いていることがあるためです。

(×)40×32÷4=1280÷4=320
(〇)40×32÷4=10×32=320
(〇)40×32÷4=40×8=320

かなり面倒ですが、計算力に直結します。

先に進めるのも手だけど、計算の問題集を解くほうをお勧め!

うちの場合は、STEP2が終わってから、予習シリーズにて先に進めました。
理由はわたしの性格の問題です。
計算問題を教えるのが面倒だったのです 笑

先に進めるよりも計算問題集で難しい計算問題にチャレンジさせたほうが近道だと思います。

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