繰り下がりのある引き算は、おはじき!

ここでは繰り下がりのある引き算を説明します。
今までのことをしっかり練習させておけば、繰り下がりのある引き算は、それほど苦労しないと思います。


「10のカタマリ」をつくる練習をしよう!

繰り下がりの引き算の前に「10のカタマリ」をつくる練習をします。
今までのことをしっかり練習していれば、かんたんなので「そんなことしなくても、うちの子どもはわかる!」と思うでしょうが、「桁」の布石になります。しっかり練習させましょう。

(STEP1)おはじきを使って、10のカタマリをつくろう!
(STEP2)数字カードで、10のカタマリをつくろう!

ちなみに、おはじきは100均で売っています。2袋もあれば十分です。

おはじきを使って10のカタマリをつくろう!

子どもの目の前に「14の数字カード」「紙」「おはじき」を置いてください。
※紙には、つぎのような枠を書いておいてください。



そして、「紙の上に14個のおはじきを置いてみて。ただ、囲っているところには、おはじき10個しか置けないのね」と言ってください。
つぎのようになりますよね。



子どもがおはじきを置いたら、囲いの部分を指さして「10のカタマリ。残っている、おはじきは4つだよね。つまり、14は10のカタマリと4になったよね」と言ってください。

その後、まったく同じことを、11、12、13、15、16、17、18、19でしてください。
そのうち、子どもはつぎのことに気がつくと思います。
つまり、「1●=10+●」と気がつくわけですね。
※気が付いた時点でやめても構いません。

・11=10のカタマリ+1
・12=10のカタマリ+2
・13=10のカタマリ+3
・14=10のカタマリ+4
・15=10のカタマリ+5
・16=10のカタマリ+6
・17=10のカタマリ+7
・18=10のカタマリ+8
・19=10のカタマリ+9

気が付かないようなら、1.今までのことを復習する、2.日をあらためて同じことをするをするといいですよ!

数字カードで、10のカタマリをつくろう!

おはじきだと、子どもは喜ぶと思います(もちろん、子どもによるでしょうが…)。
そこから勉強にもっていきます。
具体的には数字カードを使って、STEP2と同じことをします。

(例)
<準備>
・子どもの手前に【14】と【10】の数字カードを置きます。その隣に【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】の数字カードを何枚か置きます。

<質問>
・「14は10のカタマリと、あといくつ? 隣の数字カードから選んで」と言ってください

<子どもの答え>
・【4】のカードを選ぶと思います。

<あとは繰り返し>
・これができれば、子どもの手前に【15】の数字カードを置いてください。その隣に【1】【2】【3】【4】【5】【6】【7】【8】【9】【10】の数字カードを何枚か置きます。
・「15をカタマリとそれ以外に分けてみて」と聞く(敢えて聞きかたを変えました)
・これが、できれば、11、12、13、16、17、18、19で同じことをする。ついでに20もするといいかもしれません。
※もちろん、子どもができそうならば、途中でやめても構いません。

それが終われば、紙につぎの問題を書いて解かせてみましょう。

<1〇=10+〇の練習>
・14=10+〇
・18=〇+10
・17=〇+10
・11=〇+10
・10+3=〇
・10+5=〇
・10+10=〇
※10=10+〇も入れるといいかもしれません。ただし、できないときは説明しないほうがいいです。

同じような問題を作成してみましょう。ついでに過去に学習した「2+3」のような問題も混ぜるといいですよ!

「10−●」の計算に慣れさせよう!

つぎの計算を繰り返しさせましょう。
ただ、繰り上がりのあるたし算をしっかりしていれば、「10の補数」として覚えてしまっているでしょうし、もし子どもが覚えていないのなら、今、覚えさせてもいいと思います。計算がはやくなりますから。
※ただし、そろばんを習わせない場合の話です。そろばんで暗算させる予定の場合は覚えさせる必要はありません。

・10−1=9
・10−2=8
・10−3=7
・10−4=6
・10−5=5
・10−6=4
・10−7=3
・10−8=2
・10−9=1


繰り下がりの引き算は、片方を「10」にして、もう片方から引くだけ!

紙に「12−4=」と書いて、子どもに見せてください。
そして、12を指さして「12は10といくつ?」と聞いてください。
前述の練習をしっかりしていれば、子どもは「10と2」とすぐに答えられると思います。

子どもが答えたら、12の下に下図のように「2と10」を書いてください。
10は、引き算のほうに書いてください(右側)。



その後、「10と4」に下図のように丸で囲んでください。



そして、つぎのように言ってください。

1.10−4は6だよね?
2.あとは2が余っているよね
3.答えはいくつになる?


「6」と答えると思います。
子どもがわからないといえば、どうすればいいのでしょうか。

上記1は、10の補数や先ほどの練習を重ねていれば、すぐにわかるはずです。わからなければしっかり復習させてください。
上記2で、すこしひっかかる子どもがいるかもしれません。

その場合は、「12を10と2に分けたんだよね? そのうち10を使って4を引いたんだ」と言って、10と4のところを指さしてください。
「でも、この2は使っていないよね?」と言って、2のところを指さしてください。
すると、わかるようになると思います。

これで繰り下がりの引き算はできるようになると思いきや、「18−3」のような繰り下がりのないひき算と、「12−4」のような繰り下がりのある引き算の区別ができないものです。
そこで、おはじきを使って訓練しましょう!

10をつくる場合、つくらない場合の区別は、おはじきを使ってイメージさせよう!

繰り下がりの引き算の学習をはじめたころは、「18−3」のような繰り下がりのないひき算と、「12−4」のような繰り下がりのある引き算の区別ができないものです。

そこで「おはじき」を使って、引き算をさせるといいでしょう。
おはじきを使って計算させると、区別できるようになるだけではなく、引き算のイメージを強化することもできます。
では、具体的に、どうすればいいのでしょうか。

まずは「14−5」「13−8」「16−3」のような「1●−▲」の問題をたくさん紙に書いて、その紙を子どもの手前に置きます。
※繰り下がりがあるひき算、繰り下がりがないひき算を混在させてください。

1問目が「14−3」だったとします。
14は「10と4」なので、おはじき10個のまとまりをつくって子どもの前に置きます。その右隣におはじき4個を置きます。
ちなみに、おはじきを置く場所は、引き算の問題を書いてある紙の右隣がいいでしょう。



そして、子どもに「3は、10のカタマリ、4のカタマリのどちらから引けばいい?」と聞いてください。

「10」といえば、「10から3引いたら、おはじきを数えるの、めんどうだよね?」などと言ってください。
「4」といえば、「そう。4のほうから引くとすぐに答えが11だとわかるよね」などと言ってください。

2問目が「12−6」だったとします。
12は「10と2」なので、おはじき10個のまとまりをつくって子どもの前に置きます。その右隣におはじき2個を置きます。



そして、子どもに「6は、10のカタマリ、2のカタマリのどちらから引けばいい?」と聞いてください。

素直に「10」と答えてくれればいいのですが、「2を引いて、残りの4を10から引こうとする」かもしれません。
それはそれで正解ですが、先ほどと計算方法がちがうので、「10のカタマリか、2のカタマリかどちらか一方から引かないといけない」などと言ってください。

同じようにして、紙に書いた問題を解かせていきます。

そして、ある程度、問題を解かせたあと「おはじきの右側(一の位)で引けない場合は、10のカタマリで引けばいいってことだよね」と教えてあげてください。
はじめから教えるのではなく、子どもに手を動かさせて、自然に気が付くように仕向けるのがミソです。



<目標>
繰り下がりの引き算ができる。

<練習>
つぎの計算を繰り返しさせてください。なお、おはじきを問題用紙の右側に置いて、子どもにおはじきで考えさせるようにしてください。
※現時点は、以下の計算がすべてできるようになることが目標です。
※ランダムに出題してください。

・11−2=
・11−3=
・11−4=
・11−5=
・11−6=
・11−7=
・11−8=
・11−9=

・12−3=
・12−4=
・12−5=
・12−6=
・12−7=
・12−8=
・12−9=

・13−4=
・13−5=
・13−6=
・13−7=
・13−8=
・13−9=

・14−5=
・14−6=
・14−7=
・14−8=
・14−9=

・15−6=
・15−7=
・15−8=
・15−9=

・16−7=
・16−8=
・16−9=

・17−8=
・17−9=

・18−9=

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