繰り上がりのある足し算は2STEP!

数字カードを作って「繰り上がりのある足し算」を教える方法を解説しています。繰り上がりのある足し算は、2STEPでかんたんに習得できます!

<目次>
1.繰り上がりのある足し算は2STEP!

2.(STEP1)数をかぞえる延長線上で、繰り上がりのある足し算を教えよう!
2−1.数字カードを数えさせよう!
2−2.数字カードを数える反復練習しよう!
2−3.「●+3」の足し算を練習しよう!
2−4.数をかぞえる延長線上で、足し算の練習をさせよう!
2−5.「10+●」「●+10」の計算に慣れさせよう!

3.(STEP2)10の補数を使った繰り上がりのある足し算を教えよう!
3−1.片方を「10」にして、もう片方から「借りる」
3−2.繰り上がりのある足し算に慣れよう!


繰り上がりのある足し算は2STEP!

繰り上がりのある足し算は2STEPで教えるといいでしょう。

(STEP1)数をかぞえる延長線上で、繰り上がりのある足し算を説明
(STEP2)10の補数で、繰り上がりのある足し算を説明

STEP1だと「8+3」は計算できるようになりますが、「8+9」のような数が大きな繰り上がりのある足し算はできるようにはなりません。
それなのに、なぜ勉強するのでしょうか。
以下のためです。

STEP1は、STEP2で必要な「10+●」をできるようにするための手順

「じゃあ、子どもが『10+4』などが計算できれば、いきなりSTEP2からでいいんじゃない?」と感じるかもしれませんが、実は、つぎの目的もあります。

このころの子どもは、まだ数の概念があやふや。数直線で数を理解できるようにするための布石。

というわけで、STEP1から、しっかり教えましょう!

(STEP1)数をかぞえる延長線上で、繰り上がりのある足し算を教えよう!

※数字カードが手元にない場合は、「数字カードで、繰り下がりのない足し算を教えよう!」をご覧になってください。ほぼ無料、数分でつくれます。

数字カードを使って勉強させれば、すぐに「3+2」などのような、かんたんな、たし算はできるようになると思います。

「つぎは繰り上がりのある、たし算だ!」

いえいえ、
ちょっと待ってください。
その前におさえておきたい「8+3」のような、すこし工夫が必要な、たし算の計算方法を教えましょう。

数字カードを数えさせよう!

子どもの手元に【8】のカード1枚、すこし離れたところに【1】のカード3枚を置いてください。
※正確には【8】(間をあける)【1】【1】【1】(←横に並べてください)



そして、「何枚カードがあるか数えてみて」といってください。
子どもが、つぎのように「9」「10」「11」と数えられればOKです。



うまく数えられない場合は、【8】のカードの近くに【1】のカードを8枚置いて、「【8】と【1】のカード8枚は同じだよね。何枚カードあるか数えてみて」といってください。



「1」「2」……。と数えていって「8」「9」と言ったところで、「ストップ!」
そして、【1】のカードの1枚目が、数えれば「9」であることを何度も確認してあげてください。
※「【8】のカードは【1】のカード8枚だから、つぎに数えるときは9だよね」などと言う感じです。



数字カードを数える反復練習しよう!

子どもの手元に【9】のカード1枚、すこし離れたところに【1】のカード3枚を置いてください。
※正確には【9】(間をあける)【1】【1】【1】(←横に並べてください)

そして、【9】のカードに一番ちかい【1】のカードを指さして「これは何番目?(※)」と聞いてください。



「10」と答える子どももいますが、なかなか難しいものです。

もしわからない場合は、【9】のカードの近くに【1】のカードを9枚置いて、「【9】と【1】のカード9枚は同じだよね。カードを数えてみて」といってください。



答えが「10」だとわかると思います。

これを繰り返します。

子どもによっては、なかなかできないと思いますが、前に書いた通り、子どもは「パターン」で理解する傾向があります。
繰り返し、何度も同じような問題を解かせることで身につくので「これ、何度やるんだよ…」とならずに、繰り返してあげましょう。
ちなみに、繰り返し説明していると「またかよ…」「これで何度目だよ…」と思うときもあります。イラッとしたら、勉強はやめて気分転換するといいでしょう。

<練習>
・子どもの手元に5〜9のカードを1枚置いてください。
・間をあけて、1のカードを3枚ほど置いてください。
・1のカードの1枚目は何枚目か聞いてください。
・すんなりできる子どももいます。その場合は、5〜9のカードで練習したあと、10以降のカードを置いて練習させても構いませんが、無理をする必要はありません。


「●+3」の足し算を練習しよう!

子どもの手元に【8】【3】のカードを置いてください。
そして、「8+3はいくつ?」と聞いてみてください。



答えが10を超えるので指で数えるのは難しいですし(それでも指で数える子どももいると思いますが)、いままでの方法だと、「【8】は【1】のカードが8枚、【3】は【1】のカードが3枚。これらをあわせるわけだから、1枚、2枚、3枚…」と数えていかなければならず、たいへんです。

そこで、子どもの手元の【3】のカードの左(子どもから見て左)に【1】のカードを3枚、横に並べてください。そして、「左にある【1】のカードは何枚目だったっけ?」と聞いてみてください。



先ほどのことができていれば「9枚目」と答えられると思います(答えられないのなら、先ほどのことをふたたび繰り返してください)。

あとは、【3】のカードの隣の【1】のカードを指さしながら、「9枚目、10枚目、11枚目」と数えます。
すると、答えは「11」だと、子どもは気がつきます。

もしわからなければ、何度も繰り返してください。
そのうち、法則性に気がつきますから。

<ヒント>
子どもがなかなか答えないと、イライラして、解法を言ってしまうかたもいると思います。
気持ちはよくわかります。
しかし、そのようにすると、解きかたを丸暗記してしまい、考えない子どもになってしまいます。
かといって、ずっと考えさせても、子どもの口から永遠に正答はでてきません
「2分間、考えさせても答えがでない → ヒントをいう → さらに2分間経っても答えがわからない → 解法を教える」などのようにして、できるだけ子どもに考えさせる時間をつくってあげましょう。

つぎは、紙につぎのタイプのたし算を書いて計算をさせてみましょう。

・「●+2」のタイプのたし算
(例)「8+2」「9+2」「10+2」「24+2」など

・「●+4」のタイプのたし算
(例)「8+4」「9+4」「22+4」など

・できるならば「●+5」のタイプのたし算。ただし、これは別の計算法もあるので無理をする必要はありません。


数をかぞえる延長線上で、足し算の練習をさせよう!

あとは反復練習です。
つぎの練習問題を解かせましょう。
※この際、ランダムに出題してください。

・9+2=
・9+3=
・9+4=

・8+2=
・8+3=
・8+4=

・7+2=
・7+3=
・7+4=

・6+2=
・6+3=
・6+4=

これができれば、いままでの「3+2」のような、かんたんな、たし算も混ぜて、計算させましょう。

「10+●」「●+10」の計算に慣れさせよう!

「10+3=」と紙に書いて、子どもに答えがいくつになるか考えさせてください。

答えられないなら、数字カードを取り出して、子どもの手元に【1】のカードを10枚、すこし間をあけて【1】のカードを3枚置いてください。



そして、「10枚あるよね。数えるとここまでで10枚だよね。で、3枚のほうを数えていくんだよね。10のつぎは11だから、11、12、13と数えられるよね。だから、答えは13」のように教えて、「10+3=13」と紙に書いてください。

その式の真下に「10+4」と書いてください。
で、子どもに答えがいくつになるのか考えさせてください。
※もしわからないようであれば、先ほどと同じようにカードを使って教えてください。

子どもが正解を答えたら「10+4=14」と書いてください。
その式の下に「10+5=」と書いて、子どもに答えがいくつになるのか考えさせてください。

これを繰り返していきます。
「10+3=」からはじめて、「10+9=」あたりで、子どもは法則に気がつくと思います。
子どもが法則に気がついたな、と思ったら、「10+10=」の答えがいくつになるのか考えさせてください。

ここで、ひっかかる子どもには、紙に「10+9=」を書いて、いくつか答えさせてください。
「19」と答えたら、その下に「10+10=」を書いて「19から1増えただけだよね?」と言ってください。
正解に気がつくと思います。

もしわからないようでしたら、子どもの手元に【1】のカードを9枚、すこし間をあけて【1】のカードを10枚置いてください。
そして、「これは、たし算にすると、どうなる?」と聞いてください。



「10+9」もしくは「9+10」と言うと思います。そして、答えは「19」だとわかると思います。

そこに【1】のカードを1枚加えてください。「これは、『10+10』だよね? いくつになる?」と聞くと「20」と答えると思います。
※わからないようでしたら、復習してください。

<目標>「10+●」「●+10」がわかる。
※●は1〜10までの整数

<練習>
つぎのたし算を計算させてください。
※ランダムに出題する、一項目と二項目を入れかえる(例:「10+1」→「1+10」)も練習させてください。

・10+1
・10+2
・10+3
・10+4
・10+5
・10+6
・10+7
・10+8
・10+9
・10+10


(STEP2)10の補数を使った繰り上がりのある足し算を教えよう!

これから子どもに繰り上がりのある足し算を教える方法を解説しますが、いままでの練習ができていないと、つまづきます。
「イマイチできないんだよな」と思うならば、今までの復習をしっかりさせてください。
ちなみに、そろばんで暗算させる予定ならば、ここを教える必要はありません。ただ、いろいろな解きかたを知っておいて損はないとは思うので、子供に教えるといいですよ。

片方を「10」にして、もう片方から「借りる」

紙に「8+7=」と書いて、子どもに見せてください。
そして、「8を10にするには、どうすればいい?」と聞いて、8のうえに10と書いてください。



今までのことがしっかりできていれば、「2」と答えると思います。
できない場合は、つぎのいずれで教えてください。

<考えかた1>
8のつぎは9です。そのつぎは10なので、「2」進めますね。すなわち2を足します。STEP1の方法ですね。

<考えかた2>
10と8の差に着目します。「10−8」で「2」です。前のページで学習しましたね。

【推奨】考えかた3>
10の補数を暗記していれば、10の補数のうち、片側が8なので、もう一方が「2」だとわかります。
しっかり練習していれば自然に覚えていると思いますが、もし子どもが10の補数を覚えていないのならば、この機会に10の補数を暗記させておきましょう。

そして、「8に2を足して、10にしたんだよね。その2はどこから持ってきた?」と聞いてください。
わからないと思うので、「こっちの7から借りてきたんだよ」と言ってください。
そして、「7から2を借りるといくつになる?」と聞いてください。

ひき算ですね。
具体的には「7から2を借りるってことは、2なくす、2引くってこと」と教えてください。
すると「5」と答えると思いますが、正解すればつぎのように書きこんでください。



あとは「『10+5』は『15』だよね。こうやって、8+7は計算すればいいんだ」と教えてください。
まだわかっていないと思うので、つぎは、親と一緒に、つぎの練習問題を解かせましょう。
なお、このとき、式のうえに、かならず「10」と「引いたあとの数」を書かせるようにしてください。
特に幼稚園児くらいだと、まだ意味をいまいち理解しておらず、これを書かないと何をしているのかわからなくなることがあるためです。

※大きいほうの数を10にしますが、この段階ではまだ教えなくても構いません。

<練習問題>
つぎの計算をしてください。
※すこしでもわからないようならば、「まず、10にする。10を書いて」「10にするためにいくつ借りる?借りたら(引いたら)いくつになる?書いて」と言ってください。
※子どもの状況によっては、練習問題を増やしてください。

・9+6
・8+5
・7+6


繰り上がりのある足し算に慣れよう!

紙に「6+9=」と書いて、計算させてください。

子どもは6の上に「10」を書くと思います。
そして、子どもが「15」と答えたあと、つぎのような会話をしてください。

(親)6を10にするにはいくつ必要?
(子ども)4
(親)だから「9−5」を計算するわけだよね。
(子ども)うん
(親)今度は9の上に10を書いてみて。9を10にするにはいくつ必要?
(子ども)1
(親)6から1を借りるわけだよね。計算式でいうと?
(子ども)「5−1」
(親)6の上に10を書いたとき、(9を指さして)ここから4を引いたじゃん。でも、9の上に10を書くと、(6を指さして)ここから1を引くだけでいいよね。どちらが計算は楽?
(親)だから、大きいほうの数字の上に10を書くんだよ。

これを理解できれば御の字。
理解できない場合は「大きいほうの数字のうえに10を書くのが決まり」とでもいって覚えさせてください。
あとは、練習問題を解かせていきましょう。

<練習> ・6+4=
・6+5=
・6+6=
・6+7=
・6+8=
・6+9=

・7+3=
・7+4=
・7+5=
・7+6=
・7+7=
・7+8=
・7+9=

・8+2=
・8+3=
・8+4=
・8+5=
・8+6=
・8+7=
・8+8=
・8+9=

・9+1=
・9+2=
・9+3=
・9+4=
・9+5=
・9+6=
・9+7=
・9+8=
・9+9=

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