中学受験、ネットの情報に踊らされない方法

中学受験、ネットの情報に踊らされない方法を紹介しています。


論文は信用できる? 実は間違っていることが多い

「論文でAとあった」

そう書いてある記事を読むと「Aは正しい」と思うのではないでしょうか。

しかし、論文はピンキリです。
peer review付きなのはもちろん、査読自体がそれなりに厳しい雑誌に載っている論文ではないと読む価値でさえありません。
つまり、論文にも信ぴょう性があって、信用できるのは(※)ごくわずか、他は「信じると害」です。
※信用できるといっても、ある程度までです。定説でさえも覆されることがありますから。

ましてや、教育の効果の研究は非常に難しく、現代の科学では何が良いのか突き止めることはできないのではないでしょうか。
「教育関係で信じるに足る論文はあるのだろうか」と、個人的には思います。

そういう状況なので、教育関係で「論文にAとあった。Aは正しい!」とある記事は、以下のいずれかだと思います。

・書き手に悪意がある(かつての健康食品の番組もそうでした)
・書き手が無知
※書き手がまっとうな研究者のケースもありますが、レアケースです

「論文」というだけで、うのみにしないほうがいいと思います。
ついでに、どういうレベルの論文かわからないまま、「×は正しい! 根拠は論文A」のように、さも真実がごとく広めないほうがいいのでは、とも思います。

親の不安が迷走させる情報を生む

さまざまな中学受験のブログを読んでいると、両極端な情報がでてきます。
たとえば、以下。

1.先取り学習しないと、中学受験やその先で失敗します!
2.うちは先取り学習をしていないけど、トップ層! 先取り学習は不要です!

上記1。
このように煽る親は、不安で先取り学習していて、それでも不安を拭い去ることができなくて…、と、そのひと自身が不安なのでしょうね。
で、こういう記事を信じたかたたちの一部が、以下のようになるようです。

・記事を読んで不安になる。でも、親自身には教える力、時間がない
・低年齢で効果的な先取りができる塾もない
・公文やタブレットでの先取りが流行る!

ちなみに、こういうひとたちに「公文やタブレットだと100あるうちの1しか勉強できないよ? 偏差値50を目指す子どもには良いと思うけど…」と教えて目を覚まさせようとしても意味はないようです。
「それを信じると安心できない!」となって、ますます公文やタブレットに傾倒するようです。

上記2。
このように書くひとたちは先取り学習のブログを読んでいて、不安で仕方がないのでしょうね。
で、なかにはつぎのようなひともいるようです。

・不安が不安を呼ぶ
・でも、親自身には教える力、時間がない
・何の根拠もない「小さいころに遊ぶと、後のびする!」「小さな子どもに親が教えると、のびしろを奪う!」という話を信じる(信じれば安心!)

で、不安が強い一部のかたが、先取りしているブログを攻撃するのかもしれないですね。
自身を安心させるためだけに。

まとめます。
先取り学習は受験勉強の1つの戦略にすぎません。
が、不安に駆られている親によって、まるで人生を決めるツールのように過大評価されています。

先取り学習は受験勉強の有効な戦略の1つです。
が、不安に煽られた親によって、まるで「先取り学習=悪」のように言われています。

このようにして、親の不安によって、中学受験の情報が歪められていることがあります。
こういう親の「不安につけむ」「不安を煽る」「いらずらに安心させる」などで、儲けようとする塾講師や教育評論家もいますしね(「小さいころに遊ぶと、後のびする!」「小さな子どもに親が教えると、のびしろを奪う!」などと言っているだけでアクセス数アップ!)。

で、何を書きたかったのかというと、以下。

情報はどちらかに偏ることなく、客観的に精査しよう!

何事でも良い面、悪い面があるので、客観的に情報をとらえたいですね!

ひとの弱い心につけこむ情報には要注意!

ネットだけではなく書籍にも、つぎのように書かれていることがあるようです。

・親は勉強を教えてはいけない。サポートに徹しないと、不合格になる
・親が子どもの勉強に関与すると、子どもの、のびしろをなくす
・中学受験すると、子どもの性格が歪む
・早期教育で机に向かって勉強させると、子どもの性格は歪む
・先取りするのは害
・先取りしないと中学受験は失敗する
・遊んでいない子どもは失速する

これらは、すべてウソです。
なぜ、そう言えるのでしょうか?

一切、根拠がないためです。
何の根拠もないのに「サポートに徹しないと不合格」「子どもの性格が歪む」などとよく言えるよな、と思います。

…根拠があるって?
「知り合いの子どもがそうだった。それが根拠!」だって?

それは「ここは雨。だから世界は雨」と同じ。
ここが雨ならば、世界は雨なのですかね?
ちがいますよね。

・ここが雨 = 知り合いの子どもがそうだった
・だから、世界は雨 = だから、親が子どもの勉強に関与すると子どもの のびしろをなくす

おかしいですよね。

仮に根拠となる論文があったとしても、前述の通り、論文には信ぴょう性の問題もありますし、そもそも現代の科学では教育の効果は測定できません。
では、なぜ、このようなウソがまかり通っているのでしょうか。

偏差値60未満は84%と大多数です。

・偏差値60以上:16%
・偏差値60未満:64%
※理論値

少数派が「その通り!」と思うことよりも、大多数である偏差値60未満のひとたちにウケるもののほうが、商業的に成功しやすいといえます。

というわけで、「儲かれば、子どもの成績なんてどうでもいい」というかたたちは、つぎのうち、多数派に支持されることを言います。

<支持されない!儲からない!>
・ゲームはクソ。ゲームをさせているから成績がのびない

<支持される!儲かる!>
・東大卒もゲーマーが多い。子どもがゲームしていても、成績はあがる! むしろゲームをしないと人生終わり!

これと似た話が以下ですね。

<支持されない!儲からない!>
・しんどくても、毎日運動しなさい。食べるものも我慢していれば、そのうち痩せます

<支持される! 儲かる!>
・毎日好き放題食べているのに、みるみる痩せる魔法のダイエット! たった●だけで、あっという間にガリガリに!

というわけで、最初の話。
「親がのびしろを奪う」などと主張するかたたちは、多数派の「楽したい」という心の弱い部分につけこんで「儲けよう!」という気持ちはあっても、子どもの成績をのばす気持ちはないと思います。

・親がのびしろを奪う → 親は何もしなくてもいい → 何もしなくてもそのうち勝手に東大に合格する → (親)コレ、良い!
・親が関与しないと失敗する → 親は大変。しかも成功する保証もない → (親)コレ、良くない…

このような情報には気をつけましょう!

情報収集の際は「確証バイアス」と「エコーチェンバー現象」に注意!

Aさんの話です(架空の人物)。

・「うちの子どもは天才!!!」
・「え? 小1で高校数学を解く? うちの子どもにも!!! 簡単なドリルでさえ、勉強してくれない…」
・ググりまくり「小さいころ天才でも、大人になると一般人になる。むしろ、小さなころに親が教育すると、親が子どもののびしろを奪うことになって、子どもは勉強ができなくなる!」「小さな子どもは自然で遊ばせるべきだ! 自然で遊ばせない子どもは高学年で失速する!」とあって安堵する
・ネットや本を読み漁るも、「親がのびしろを奪う」「低年齢から机に向かって勉強させると子どもの性格は歪む」「遊んでいない子どもは失速する」などの自分が求めている見解しか見えなくなる(確証バイアス
・ブログなどをはじめて、「親がのびしろを奪う」みたいなコミュニティにはいる(コミュニティではなくても、ブックマークはそういうブログばかりになる)
・コミュニティなどで「親が教育すると、子どもの、のびしろを奪う」みたいな自分に都合がいい意見しか耳に入らなくなって、それが強化されていく(エコーチェンバー現象
・自分とはすこしでもちがう意見が許せなくなる
・あちこちで、ちがう意見のブログを攻撃。特に早期教育や先取り学習でうまくいっているところをターゲットにする。

このようにならないようにしましょう!

難関中に合格させた塾講師、家庭教師、親は信用できる?

中学受験で、ある子どもが難関中に合格したとします。
その立役者は以下ですよね。

1.塾講師や家庭教師
2.親

上記1と2ともに、ノウハウを持っていると思います。
なかには、そのノウハウを書いてくれているかたもいますが、それを読むときに気をつけるべき点があります。
立場のちがいです。

塾講師や家庭教師の立場

まずは、塾講師や家庭教師の立場です。

・家庭はブラックボックス。家庭で何をしているのかよくわからない(※)
・塾のことはわかる。教えかたをはじめ、それぞれの教科のことはわかる
※家庭教師も、週に何回か、2時間程度しか家庭にいません。

ここからどのようなことが言えるのでしょうか。

難関中に合格させた塾講師や家庭教師による情報で信用できるもの、信用できないもの

難関中に合格させた塾講師や家庭教師による情報で、信用できるものは何でしょうか。
塾に関すること、たとえば「国語の成績と読書は無関係」「数学を先取りするよりも、算数をしっかり!」などは信用できると思います(もちろん、講師次第です)。

一方、家庭に関する情報は、信用してはいけません。
たとえば、「子どもにこう接するべき」「低年齢・低学年で遊んでいる子どもこそ、後のびする」みたいな話です。
講師による妄想です。
ちなみに、「親から聞いた」と主張するかたもいるようですが、ただでさえ「オレ、勉強していないんだよねー → 満点」の世界。親が本当のことを、しかも正確に話すことはないと思います。

親の立場

つぎに、親の立場です。

・家庭での状況はわかる
・塾はブラックボックス。何をどのように教えているのかわからない

ここから、つぎのことが言えます。

難関中に合格させた親の立場による情報で信用できるもの、信用できないもの

難関中に合格させた親による情報のうち、家庭に関すること、たとえば「家庭でどのようにサポートしたのか」「子どもにどのように接していたのか」「どのような塾を選んだのか」などは、ある程度まで信用できると思います。

一方、「公文式で中学数学まで先取りさせるべき」「低学年の国語の学習は読書!読書しないと成績はのびない!」などのような、それぞれの教科に関するノウハウは信用してはいけません。
すべてそのかたの妄想です。
それ以外にも、「どのくらい勉強したのか?」もあまり信用できません。
詳しく書きます。

難関中に合格させた親と「虚偽の記憶」

「どのくらい勉強したのか?」

難関中に合格させた親の話はあまり信用できません。
なぜそう言えるのでしょうか。
3つ理由があります。

1つ目は、ひとによって感じかたがちがうためです。

・一般人:勉強1時間。遊び5時間 → めちゃくちゃ勉強した! 東大も余裕かもしれない!
・勉強の鬼:勉強5時間。遊び1時間 → めちゃくちゃ遊んでしまった…。もう人生終わりかもしれない…。

2つ目は、「勉強していない」というひとが多いためです。

・「うちの子どもは勉強していないのに、最難関中に合格した」と、ドヤりたいがゆえの「勉強していない」
・猛勉強。万が一合格できなかったときの保険で「勉強していない」
・「努力は素晴らしい」は、勉強は例外。叩かれる、余計な摩擦を減らしたいがゆえの「勉強していない」

3つ目は「虚偽の記憶」である可能性が高いためです。

記憶ほどアテにならないものはありません。つぎのようなことがあります。

1.長時間の勉強が常態化。ただでさえ親は勉強のしんどさを感じにくいのに、常態化によって完全に麻痺。日々の長時間の勉強について何とも思わなくなる(印象が薄い)
2.毎年、春休みと夏休みに1週間だけ旅行に行く。「遊んだ!」という記憶が強く残る
3.合格後、「勉強していないのに難関中!」とドヤりたい心理なども相まって、「上記1はきれいさっぱり忘れて、上記2だけ記憶に強く残る」と記憶がゆがめられていく。そのうち、「うちは遊んでいたけど合格した」となる
4.時間が経てば経つほど、上記3の虚偽の記憶が強化されていく。本人は虚偽の記憶を真実だと思いこんでいる

「虚偽の記憶」は裁判などでも問題になることがあります。

そもそも、ネットは誰でも何でも書き込むことができるので「最難関中に合格」が虚偽である可能性もあります。

というわけで、中学受験終了組の勉強時間に関するアドバイスは信用しないほうがいいと思っています。もっとも、客観的なデータがあれば話は別ですが、日々、勉強時間を測定してメモっているひとなんて滅多にいないでしょうしね。

掲示板などは一切見ないほうがいい

インターエデュと5ちゃんねるの2つの掲示板がありますが、いずれも見る価値はありません。悪意やデマに満ちていますし、「雄弁にノウハウを語っていた書き込みは、実は中学生によるものだった」ということもありえるためです。
知恵袋も同じです。
匿名で書きこめるものは「見ない」のが一番です。

ひとそれぞれの方法があると肝に銘じよう!

親の関わりかた、早期教育、先取り学習など。
ぜんぶ、ケースバイケースだと思いますし、何が正しいかなんて世界の誰にもわかりません。
教材も同じです。
実際に自分の子どもに実際に試さないと、その真価はわかりません。

つまり、自分の信じた道を進むことが大切だと思います。

ちなみに、わたしも情報に踊らされていました。
たとえば「低年齢で教えると時間がかかることでも、成長すれば一瞬で終わる」。
実際に子どもたちに教えると、「確かにそういうこともあったけど、大半はそうではなかった」とわかりました。そもそも、この理屈が正しければ、成績が悪い中学生に教えるの、苦労しないですからね!

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