中学受験、ネットの情報に踊らされない方法

中学受験、ネットの情報に踊らされない方法を紹介しています。

<目次>
1.論文は信用できる? 実は間違っていることが多い
2.親の不安が迷走させる情報を生む
3.ひとの弱い心につけこむ情報には要注意!
4.情報収集の際は「確証バイアス」と「エコーチェンバー現象」に注意!
5.難関中に合格させた塾講師、家庭教師、親は信用できる?
6.掲示板などは一切見ないほうがいい
7.ひとそれぞれの方法があると肝に銘じよう!


論文は信用できる? 実は間違っていることが多い

「論文でAとあった」

そう書いてある記事を読むと「Aは正しい」と思うのではないでしょうか。

しかし、論文はピンキリです。
peer review付きなのはもちろん、査読自体がそれなりに厳しい雑誌に載っている論文ではないと読む価値はありません。
つまり、論文にも信ぴょう性があって、信用できるのは(※)ごくわずか、他は「信じると害」です。

ましてや、教育の効果の研究は非常に難しく、現代の科学では何が良いのか突き止めることはできないと思います。
「教育関係で信じるに足る論文はあるのだろうか」と、個人的には思います。

そういう状況なので、教育関係で「論文にAとあった。Aは正しい!」とある記事は、以下のいずれかだと思います。

・書き手に悪意がある(かつての健康食品の番組もそうでした)
・書き手が無知
※書き手がまっとうな研究者のケースもありますが、レアケースです

「論文」というだけで、うのみにしないほうがいいと思います。
ついでに、どういうレベルの論文かわからないまま、「×は正しい! 根拠は論文A」のように、さも真実がごとく広めないほうがいいのでは、とも思います。

※信用できるといっても、ある程度までです。定説が覆されることもありますから。

親の不安が迷走させる情報を生む

さまざまな中学受験のブログを読んでいると、両極端な情報がでてきます。
たとえば、以下。

1.先取り学習しないと、中学受験やその先で失敗します!
2.うちは先取り学習をしていないけど、トップ層! 先取り学習は不要です!

上記1。
こうやって煽る親は、不安で先取り学習していて、それでも不安を拭い切ることができなくて…、と、そのひと自身が不安なのでしょうね。
で、こういう記事を信じたかたたちの一部が、以下のようになるようです。

・記事を読んで不安になる。でも、親自身には教える力、時間がない
・低年齢で効果的な先取りができる塾もない
・公文やタブレットでの先取りが流行る!

ちなみに、こういうひとたちに「公文やタブレットだと100あるうちの1しか勉強できないよ? 偏差値50を目指す子どもには良いと思うけど…」と教えて、目を覚まさせようとしても意味はないようです。「それを信じると安心できない!」となって、ますます公文やタブレットに傾倒するようです。

上記2。
このように書くひとたちは先取り学習のブログを読んでいて、不安で仕方がないのでしょうね。
で、なかにはつぎのようなひともいるようです。

・不安が不安を呼ぶ
・でも、親自身には教える力、時間がない
・何の根拠もない「小さいころに遊ぶと、後伸びする!」「小さな子どもに親が教えると、のびしろを奪う!」という話を信じる(信じれば安心!)

で、不安が強い一部のかたが、先取りしているブログを攻撃するのかもしれないですね。
自身を安心させるためだけに。

まとめます。
先取り学習は受験勉強の1つの戦略にすぎません。
が、不安に駆られている親によって、まるで人生を決めるツールのように過大評価されています。

先取り学習は受験勉強の有効な戦略の1つです。
が、不安に煽られた親によって、まるで「先取り学習=悪」のように言われています。

このようにして、親の不安によって、中学受験の情報が歪められていることがあります。
こういう親の「不安につけむ」「不安を煽る」「いらずらに安心させる」などで、儲けようとする塾講師や教育評論家もいますしね(「小さいころに遊ぶと、後伸びする!」「小さな子どもに親が教えると、のびしろを奪う!」などと言っているだけでアクセス数アップ! 笑)。

で、何を書きたかったのかというと、以下。

情報はどちらかに偏ることなく、客観的に精査しよう!

何事でも良い面、悪い面があるので、客観的に情報をとらえたいですね!

ひとの弱い心につけこむ情報には要注意!

ネットだけではなく書籍にも、つぎのように書かれていることがあるようです。

・親は勉強を教えてはいけない。サポートに徹しないと、不合格になる
・親が子どもの勉強に関与すると、子どもの、のびしろをなくす
・中学受験すると、子どもの性格が歪む
・早期教育で机に向かって勉強させると、子どもの性格は歪む
・先取りするのは害
・先取りしないと中学受験は失敗する
・遊んでいない子どもは失速する

これらは、すべてウソです。
なぜ、そう言えるのでしょうか?

「根拠」が一切ないためです。
根拠もないのに(※)、サポートに徹しないと不合格、子どもの性格が歪むとか、よく言えるよな、と思います。

(※)根拠について、「知り合いの子どもがそうだった。それが根拠!」みたいに言うかたがいます。
それは「ここは雨。だから世界は雨」と同じ。
ここが雨ならば、世界は雨なのですかね?
※たとえば「ここが雨=知り合いの子どもがそうだった」「だから世界は雨=だから、親が子どもの勉強に関与すると、子どもの、のびしろをなくす」ですかね?

仮に根拠となる論文があったとしても、前述の通り、論文には信ぴょう性の問題もあります。そもそも現代の科学では、教育の効果は測定できないと思います。

なぜ、このようなウソがまかり通っているのでしょうか?

世の中、勉強ができる子どもは少数です(受験は相対評価なので、当たり前ですね)。
つまり、多数派の「そこそこ勉強できる〜勉強が苦手」の層に支持されるもののほうが、商業的に成功しやすいといえます。

というわけで、「儲かれば、子どもの成績なんてどうでもいい」というかたたちは、多数派に支持されるようなことを言います。
たとえば、以下。

<支持されない!儲からない!>
・ゲームはクソ。ゲームをさせているから成績がのびない

<支持される!儲かる!>
・東大卒もゲーマーが多い。子どもがゲームしていても、成績はあがる! むしろゲームをしないと人生終わり!

これと似た話が以下ですね。

<支持されない!儲からない!>
・しんどくても、毎日運動しなさい。食べるものも我慢していれば、そのうち痩せます

<支持される! 儲かる!>
・毎日好き放題食べているのに、みるみる痩せる魔法のダイエット! たった●だけで、あっという間にガリガリに!

というわけで、最初の話。
「親がのびしろを奪う」などと主張するかたたちは、多くの親の「楽したい」という心の弱い部分につけこんで儲けたい気持ちはあっても、子どもの成績をのばす気持ちは微塵たりともないと思います。

・親がのびしろを奪う → 親は何もしなくてもいい → 何もしなくてもそのうち勝手に東大に合格する → (親)コレ、良い!
・親が関与しないと失敗する → 親は大変。しかも成功する保証もない → (親)コレ、良くない…

このような情報には気をつけましょう!

情報収集の際は「確証バイアス」と「エコーチェンバー現象」に注意!

Aさんの話です(架空の人物)。

・「うちの子どもは天才!!!」
・「え? 小1で高校数学を解く??? うちの子どもにも!!! ドリルでさえ、勉強してくれない…」
・ググりまくり「小さいころ天才でも、大人になるとふつうになる。むしろ、小さなころに親が教育すると、親が子どもののびしろを奪うことになって、子どもをできなくしている!」「小さな子どもは自然で遊ばせるべきだ! 自然で遊ばせない子どもは高学年で失速する!」とあって安堵する
・ネットや本を読み漁るも、「親がのびしろを奪う」「低年齢から机に向かって勉強させると子どもの性格は歪む」「遊んでいない子どもは失速する」などの自分が求めている見解しか見えなくなる(確証バイアス
・ブログなどをはじめて、「親がのびしろを奪う」みたいなコミュニティにはいる(コミュニティではなくても、ブックマークにそういうブログばかりになる)
・コミュニティなどで「親が教育すると、子どもの、のびしろを奪う」みたいな自分に都合がいい意見しか耳に入らなくなって、それが強化されていく(エコーチェンバー現象
・自分とはすこしでもちがう意見が許せなくなる
・あちこちで、ちがう意見のブログを攻撃。特に早期教育や先取り学習でうまくいっているところをターゲットにする。

このようにならないようにしましょう!

難関中に合格させた塾講師、家庭教師、親は信用できる?

中学受験で、ある子どもが難関中に合格したとします。
その立役者は以下ですよね。

1.塾講師や家庭教師
2.親

上記1と2ともに、ノウハウを持っていると思います。
なかには、そのノウハウを書いてくれているかたもいますが、それを読むときに気をつけるべき点があります。
それは「立場のちがい」。
どういうことでしょうか。

まずは、それぞれの立場です。

<塾講師や家庭教師の立場>
・「家庭」はブラックボックス。何をしているのかよくわからない
・「塾」のことはわかる。教えかたをはじめ、それぞれの教科のことなどはわかる
※家庭教師も、週に何回か2時間程度しか家庭にいません

<親の立場>
・「家庭」での状況はわかる
・「塾」はブラックボックス。何をどのように教えているのかわからない

つまり、以下。

<塾講師や家庭教師による情報>
塾講師や家庭教師による情報のうち、「家庭」に関するものは、信用してはいけません。
つまり、塾講師や家庭教師による「子どもにこう接するべき」「低年齢・低学年で遊んでいる子どもこそ、後伸びする」みたいな話は信用してはいけません。
妄想ですから。
ちなみに、「親から聞いた」と主張するかたもいるようですが、ただでさえ「オレ、勉強していないんだよねー → 満点」の世界。親が本当のことを、しかも正確に話すことはないと思います。

<親による情報>
親による情報のうち、「塾」に関するものは、信用してはいけません。
つまり、「公文式で中学数学まで先取りさせるべき」「低学年の国語の学習は読書!読書しないと成績はのびない!」などのような、それぞれの教科に関するノウハウはすべてそのかたの妄想です。

一方、以下については、ある程度の信ぴょう性があると思っています。

<塾講師や家庭教師による情報>
「塾」に関すること、たとえば「国語の成績と読書は無関係」「数学を先取りするよりも、算数をしっかり!」などは信用できると思います(もちろん、講師次第です)。

<親による情報>
「家庭」に関すること、たとえば「家庭でどのようにサポートしたのか」「子どもにどのように接していたのか」「どのような塾を選んだのか」「低年齢・低学年では何をしていたのか」「1日あたり何時間くらい勉強したのか(→これに関しては本当の情報は少ないようです)」などは、ある程度まで信用できると思います。

というわけで、それぞれの立場を考えて、何が正しい情報なのか考えることが大切だと思っています。

掲示板などは一切見ないほうがいい

インターエデュと5ちゃんねるの2つの掲示板がありますが、いずれも見る価値はありません。悪意やデマに満ちていますし、「雄弁にノウハウを語っていた書き込みは、実は中学生によるものだった」ということもありえるためです。
知恵袋も同じです。
匿名で書きこめるものは「見ない」のが一番です。

ひとそれぞれの方法があると肝に銘じよう!

親の関わりかた、早期教育、先取り学習など。
ぜんぶ、ケースバイケースだと思いますし、何が正しいかなんて世界の誰にもわかりません。
教材も同じです。
実際に自分の子どもに実際に試さないと、その真価はわかりません。

つまり、自分の信じた道を進むことが大切だと思います。

ちなみに、わたしも情報に踊らされていました。
たとえば「低年齢で教えると時間がかかることでも、成長すれば一瞬で終わる」。
実際に子どもたちに教えると、「確かにそういうこともあったけど、大半はそうではなかった」とわかりました。そもそも、この理屈が正しければ、成績が悪い中学生を教えるの、苦労しないですからね!

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