中学受験で「数学」は必要?

中学受験に数学は必要かどうかを、実体験をもとに書いてみました。

<目次>
1.算数と数学の解法のちがいと子どもの思考回路
1−1.算数の解法のほうが子どもにあっていた実例1(方程式)
1−2.算数の解法のほうが子どもにあっていた実例2(相当算)
2.なぜ算数しか教えない大手塾があるのかを推測
3.小2が予習シリーズで勉強できているのは算数の解法だからこそ!
4.中学受験に数学は「害」なのか?
4−1.勉強時間という観点では数学は害
4−2.将来を見越して、数学を教える親もいる


算数と数学の解法のちがいと子どもの思考回路

まずは、解法です。

・算数はパズルみたいに解いていくことが多い(以下、算数の解法)
・数学は論理的思考が必要(以下、数学の解法)

つぎに、子どもの思考回路です。

小2の息子は予習シリーズ4年の上下はほぼ終わりましたが、息子をじっくり観察していると、「算数の解法 > 数学の解法」、つまり数学の解法でも解けますが、算数の解法のほうが解きやすいように思いました。

算数の解法のほうが子どもにあっていた実例1(方程式)

かんたんな例をあげると、方程式。

(例)3(□+2)=9

算数では面積図と線分図で、パズルのように図にあてはめて解きます。
※かならずしもこの解法ではありません。

・「3×△=9」として面積図にあてはめる
・「□+2=3」として線分図にあてはめる


数学では「=の概念」から論理的に思考して解きます。

・左辺と右辺を÷3
・左辺の「+2」を右辺に移行
・(以下省略)

息子に両方とも教えたところ、以下でした。

・算数の解法:すぐに、すんなりと解く
・数学の解法:解けることは解けるが、考えこむ。すこししたら忘れる

算数の解法のほうが子どもにあっていた実例2(相当算)

たとえば、以下のような相当算。

兄はお金を持っています。そのうち3/5を弟にあげました。弟は3/4を妹にあげると、500円が手元に残りました。はじめに兄がもっていたお金を求めなさい。
※予習シリーズ、例題6改題。数字は適当。

相当算には、つぎの3つの解法があります。

1.数学の解法(□やxでおく)
2.算数の解法(全体を1とおく)
3.算数の解法(全体を最小公倍数でおく)

息子に、上から順に教えていきました。あ 結果は、以下です。

1.数学の解法(□やxでおく)
わかりにくいそうで、実際、先になかなか進めませんでした。

2.算数の解法(全体を1とおく)
「全体を1とする」はわかりやすいとのことでした。しかし、計算がややこしくなって解けないこともありました。

3.算数の解法(全体を最小公倍数とおく)
「あとのことを考えて、最初に最小公倍数で」が、わかりにくかったようです。ただ、計算はわかりやすいようでした。

算数しか教えない大手塾

大手塾では、なぜ算数しか教えないのでしょうか。
関係者ではないので推測です。

まずは、入試問題。
中学受験には「小学校の指導要綱を超えてはいけない」という縛りがあるので、算数の解法で解けないといけません。
また「数学でかんたんに解ける問題を出題してしまう=自ら無能だと公にする」わけなので、出題者である中高一貫校の先生は「算数の解法では解ける。しかし数学の解法では解きにくい問題」を出題せざるを得ないのではないでしょうか。
というわけで、大手塾では数学を勉強するのは時間の無駄であり、算数の解法に特化させるほうが入試問題を解く当たって効率的だと判断しているのかもしれないな、と考えています。

つぎに、子どもの発達。
その真偽はさておき、「小さな子どもには論理的思考ができず、変数のような抽象的なものはわからない」「小4あたりから論理的思考ができるようになる」といわれています。
ただ、「ある日いきなり」のような「白黒」ではなく「グラデュエーション」があって、しかも、「ここは論理的に考えることができるが、ここはできない」みたいなムラもあるのだと思います。もちろん個人差も。
一方、算数の解法は小1、小2でも身につきます(もちろん、塾講師の腕次第)。
このような状況なので、集団授業では算数のほうがしやすいのだと思います。

小2が予習シリーズで勉強できているのは算数の解法だからこそ!

わたしは算数で教えている――正確にいえば、算数をベースに、低年齢の子どもの特性にあわせた教えかたを編み出しながら教えているので、小2でも予習シリーズで勉強できています。

中学受験に数学は「害」なのか?

「低年齢の子どもには算数の解法のほうがいい」「数学を教えない大手塾もある」と書きました。
まとめると以下。

算数の教えかたは、小さい子どもにあうようにカスタマイズされている。しかも中学受験の問題も算数で解ける。それなのに、わざわざ数学で教える必要はないんじゃないの? 低学年、中学年のたいはんは数学の表面しかできないし、数学が理解できる子どもがでてくる高学年だと、数学を教えるよりも、難問を解かせたり、ほかの科目に時間を割いたほうが効率的

では、中学受験で、数学を学修することは害なのでしょうか。

結論から書けば「わからない」です。
ただ、1つ言えるのは勉強時間という観点から「は」害です。


勉強時間という観点では数学は害

中学数学の教科書レベルをすべて習得させるには、それなりの時間がかかります。
また、数学を理解できるようになるのは、小4あたりからといわれています。

つまり、中学受験の対策をはじめる時期と、中学数学の勉強をはじめられる時期が重なっているということです。

算数や国語の勉強量が日に日に増えてくるなかで、中学数学を勉強するのはたいへんです。
そういう意味で、中学受験に数学は害といえるのではないでしょうか。

将来を見越して、数学を教える親もいる

中学受験はあくまで前哨戦です。
先を見越しての数学の先取り学習は意義があると思いますし、わたしも、実際、そうする予定です。

ただ、わたしの場合は、順番はあくまで「算数→数学」です。
算数を教えるときは数学で教えませんし、算数ができるようになってから、先取り学習としての数学を勉強させる予定です。

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